投稿者:だれやみスタッフ - 2016年11月18日
だれやみ君は先日、日向市東郷町の株式会社あくがれ蒸留所さんを訪ねました。
道の駅とうごうのすぐ近くに蔵があります。裏には耳川が清らかに流れ、背景は大自然を映し出す立派な佇まいの蔵でした。会社を設立し、蔵を建てて12年ということで、まだまだ外観も内観もキレイです。
けふもまた こころの鉦を 打ち鳴らし 打ち鳴らしつつ あくがれて行く
東郷町で生まれた歌人 故 若山牧水の詠んだ歌です。
歌にある「あくがれ」とは、「憧れる」の元になった言葉です。
本格焼酎あくがれや会社名に入る「あくがれ」はこの歌からきているそうです。
種麹の仕入れ先が他の蔵元とは異なったり、日本酒酵母やワイン酵母の焼酎など、他社との差別化を図る商品が見られます。
また、焼酎のアルコール度数も一般的には25°や20°とキリの良い数字が多い中で、
28°や14°などといった焼酎を造っています。
「なぜ、キリの良い数字ではなく、28°なのですか?」
「この焼酎で美味しく飲める度数を追求したら、28°だったというだけです。」
割らなくともそのまま飲んで旨い焼酎を考えた結果、14°でも造ることができたのが「日向あくがれ14°」です。
アルコール度が低く、軽快ですっきりとした飲み口で、焼酎の苦手な方や女性の方でも気軽に味わうことができる焼酎です。
あくがれ蒸留所さんではこれまで、減圧蒸留の焼酎を造る機会(機械ではない)がなく、常圧蒸留の焼酎のみを造り続けています。
「弊社は若い蔵だからこそ、型にはまったことをしません、でも守るべきものも守っていく、そんな蔵です。
社員数5名と小さいけど、気概を持ってやっています。人に来て頂ける蔵造りを考えます。人にあくがれて(憧れて)頂く蔵、商品を造っていきたいです。」
ところで、この日は黒木社長にお会いできませんでした。
黒木社長には、酒好きの若山牧水のふるさと 東郷町に酒蔵を作りたい、という長年の夢があり、多くの協力者のもと、いくつもの困難を乗り越えて、異業種から参入し、ようやく誕生した蔵だそうです。あくがれ蒸留所さんと若山牧水は切り離せない関係と言えます。
若山牧水はこよなく酒を愛し、一日一升のお酒を飲んでいたと言われています。
あくがれ蒸留所さんを後にし、
「牧水と一度でいいから、だれやみしてみたかったなぁ。」
そんな思いを馳せながら、牧水公園に向かうと、なんと、
牧水が先にだれやみをして待っていてくれました。
初めましての挨拶代わりに、「乾杯!!」