お店で、だれやみ。【BAR ROBROY西葛西店】

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今年も「宮崎SHOCHU Mix Up Week」が始まりました。宮崎県から24の蔵元、全国で234店舗が参加し、焼酎を使用した500種近いオリジナルメニューが誕生！　参加店舗では、どんな焼酎カクテルが飲めるのでしょうか？

最初にご紹介するのは、西葛西のバー「BAR ROBROY　西葛西店」。姫泉酒造合資会社の芋焼酎「無濾過御幣～紫空～」と、麦焼酎「七代目姫野　全量黒麹仕込み」を使って焼酎カクテルを創作された曽根田雄さんにお話を伺いました。

―1杯目のカクテル、綺麗な2層に分かれていますね。

紫の空と書いて「紫空（しくう）」という焼酎の名前から、最初に浮かんだのが秋の朝焼けでした。フルーティな味わいを持つ紫空と、秋の味覚である洋梨のジュースや巨峰のリキュールを使って、東雲色に染まる光景を表現したカクテルです。底に沈めたのが巨峰リキュールで、空のグラデーションを思わせる色合いにしました。

―徐々に味の変化を感じられるのも面白いです。

飲み進めるにつれて、下の層から巨峰の甘い風味が広がっていきますよね。チーズと相性が良いので、ブリーやカマンベール、ゴルゴンゾーラなどを盛り合わせにして、変わっていくカクテルの味わいと合わせるように召し上がるといいかもしれません。やさしい味わいから始めて、最後はクセの強いチーズへというように。

―紫空は、どんな焼酎ですか？

南九州産の綾紫芋を原料にした白麹仕込みの芋焼酎で、リンゴのように爽やかでフルーティ。リンゴの蒸留酒、カルバドスを思わせる風味があります。カルバドスはリンゴ以外に数種類の洋梨を使って造られることもあって、紫空と洋梨は相性が良いだろうと考えました。初めて飲んだ瞬間に、美味しいと感じて好きになった焼酎です。

―ほかのフルーツとも合いそうですね。

日向夏やグレープフルーツなどのさっぱりした柑橘、フルーティなコーヒーとも合うと思います。ウォッカとコーヒーリキュールを混ぜて作るカクテル「ブラックルシアン」のベースを紫空にして作ったり、フルーツは刻んでカイピリーニャ（※）のようにしても。

※ カイピリーニャ
ブラジルの蒸留酒、カシャッサをベースにしたカクテル。グラスに刻んだライムと砂糖を入れて潰し、クラッシュドアイスとカシャッサを加えて混ぜればできあがり。

―2杯目のカクテルに使われたのは、麦焼酎ですか？

はい、同じく姫泉酒造さんの「七代目姫野」です。全量黒麹仕込み（※2）だからか、麦焼酎にしてはコクがあって風味を強く感じますね。ロックやお湯割りで、時間をかけてゆっくり飲める焼酎です。独特な野性味があるので、同じく野性味のある香りと表現されるラズベリーやブルーベリーと合うかなと。ジンジャーエールで割って飲みやすく、麦の風味を柔らかく感じられるようお作りしています。舞姫が軽やかに踊るイメージです。

※2　全量黒麹仕込み
一次、二次仕込み両方に黒麹を使う製法で、コクのある濃厚な風味になる。

―焼酎のジンジャーエール割り、いいかもしれません。

特に麦焼酎は、甘口のジンジャーエールとの相性が良いですね。焼酎とジンジャーエールを１：２くらいの割合で混ぜるのがお勧めです。あとは大葉と合わせてモヒート（※3）の和風版にしたり、みかんジュースで割ったり。麦焼酎のジンジャーエール割りは注いで混ぜるだけですし、居酒屋さんで積極的に出したらもっと広まる気がします。このカクテルはさっぱりしているので、揚げ物やナッツが合いますね。当店のメニューでしたら、フィッシュ＆チップスがお勧めです。

※3　モヒート
ラムベースのカクテルで、ライム、ミント、砂糖、ソーダを混ぜて作る。

―お湯割りやロックのイメージが強かったですが、焼酎でいろいろなカクテルができそうですね。

僕も和食の時は焼酎をロックやストレートで飲んでいますが、カクテルも面白いですよ。創作する際には香りなどの共通点を探して、相乗効果で風味を高められるような組み合わせを考えています。アルコール度数が低く、副材料に負けてしまう可能性があるのでバランスを整えるのが難しいですね。焼酎カクテルはこれまであまり作られてきませんでしたが、それだけに可能性も大きいのではないでしょうか。