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株式会社川越酒造場

brewery

川越酒造場

川越酒造場の歴史

江戸時代から続く蔵元

 国富町の中心部にある川越酒造場。江戸時代末期の創業と伝えられています。この辺りは江戸幕府の直轄領(天領)で、当時は周辺のお寺や神社にお酒を奉納していたのだそうです。現在は19代目杜氏の川越雅博氏が焼酎造りを引き継いでいます。

 機械に頼らず、自分たちのこれまでの経験や知識をフルに生かし、常に品質の向上を目指した焼酎造りを行っています。

川越酒造場の焼酎

原料へのこだわり

 原料の芋は土や栽培方法にこだわった県産の「黄金千貫」を使用。収穫したばかりの芋をその日のうちに加工します。米はタイ米を使用。「実は焼酎のルーツはタイなんです。なのでタイ米は焼酎に合った米なんですよ」と雅博氏は教えてくれました。

造りへのこだわり

 仕込み蔵は明治末期に建てられたもので、麹の香りがほんのりと漂っています。大正時代に埋め込んだ一次仕込みの甕(かめ)は備前焼なのだそう。一つ一つ形も異なり、性格も違うんだとか。蔵には空調がなく、外気温を考慮しながら職人は視覚、嗅覚、触覚など五感を使って発酵をうながし、それぞれの原料や甕の持ち味を最大限に引き出していきます。

 蒸留方法は常圧蒸留。原料の芋や米の豊かな味わいが感じられる焼酎ができあがります。

杜氏紹介

杜氏 川越雅博氏

 26歳の時に家業を手伝い始めたという雅博氏。それまでは映像関係の仕事をしていたそうです。焼酎を取り巻く環境や社会情勢がめまぐるしく変化する中、蔵の将来を真剣に考えたと話します。「決まった敷地の中でどのような焼酎造りを目指すのかを意識して、綿密な計画を立てました。2009年にその計画が完成し、現在も少しずつ変化はしているのですが、軌道に乗っている状況です」。

 「一人の杜氏が造る量には限界があります。なので量ではなく、品質を向上させていくことを大事にしています」と雅博氏。長い歴史の中でさまざまな銘柄を出してきましたが、現在は3銘柄に絞り込んで造っており、信頼関係で結ばれた小売店にのみ卸しています。「今後も、焼酎造りを継続していくことに全力を注いでいこうと思っています」と雅博氏は話してくれました。

取材一口メモ

「時には先代の父親と喧嘩をしながらも、自分の立てた計画を一つ一つ実行していった」と振り返る雅博氏。昔はもっとのびのびと焼酎造りができていたそうですが、時代とともに規制も増え、厳しくなったと話します。いいものは引き継ぎ、見直すべきことは見直し、世代交代をしていったそうです。

美味しく焼酎を飲むには

瓶詰めや検品、ラベル貼りもすべて人の手で

飲み方、相手、場所を選んで

 「お酒などの嗜好品は、人生を豊かにするコミュニケーションツールだと思います」と雅博氏。中でも焼酎はお湯割り、水割り、ロックといろいろな飲み方があり、季節や体調に合わせて選ぶことができると話します。「気心の知れた相手と楽しく飲んだり、飲みたいお酒でお店を選んだりしてもいいのでは。お酒を通して人の輪が広がり、さらに”おいしい”と思ってもらえたら、造り手冥利(みょうり)に尽きます」。

 瓶詰めや検品、ラベル貼りもすべて人の手で。国富町に唯一残る蔵元の焼酎は、積み重ねてきた時間と厳選された原料に、職人の技術と愛情がたっぷりと注がれた逸品です。

取材一口メモ
瓶詰めや検品、ラベル貼りもすべて人の手で

瓶詰めや検品、ラベル貼りもすべて人の手で。川越酒造場を代表する本格芋焼酎「川越」のラベルはカットするのも手作業なのだそうです。和紙の優しい風合いを感じられるラベルです。

蔵人紹介

橋本大志さん

蔵人 橋本大志さん

 川越酒造場で焼酎造りを始めて7年目という橋本さん。「焼酎造りの工程は手や体を動かす作業が多くて大変ですが、とてもやりがいがあります」と話します。早く一人前の杜氏になれるようがんばりたいと抱負を語ってくれました。「自分たちが一生懸命造った焼酎を、ぜひ好きな飲み方で飲んでください!」

 

会社概要

会社名 株式会社川越酒造場
住所 宮崎県東諸県郡国富町大字本庄4415-1
電話 0985-75-2079
FAX 0985-75-5111
蔵見学 不可

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